消防設備士には、特類から7類まで全8種類があります。
しかし、これから資格取得を目指す方の中には、
「消防設備士の種類ごとの違いがわからない」
「初心者は何類から受験すればいいの?」
「仕事や転職に役立つおすすめの種類はどれ?」
と迷っている方も多いのではないでしょうか。
消防設備士は、種類によって扱える消防用設備が大きく異なります。例えば、4類は自動火災報知設備、6類は消火器、1類はスプリンクラー設備や屋内消火栓設備などが対象です。
そのため、仕事内容や取得目的を確認せずに受験する類を選んでしまうと、仕事に必要な資格を取得できなかったり、使う機会の少ない資格に時間や費用をかけたりする可能性があります。
そこでこの記事では、消防設備の現場経験を持つ筆者が、消防設備士8種類の違い・扱える設備・難易度・おすすめの取得順番を初心者にもわかりやすく解説します。
さらに、
- 初心者におすすめの種類
- 転職や就職で役立ちやすい種類
- 需要が高く稼ぎやすい種類
- 甲種と乙種の違い
- 消防設備士を取得するおすすめの順番
についても詳しく紹介します。
この記事を読めば、自分がどの種類の消防設備士を取得すべきかがわかり、目的に合った資格を最短ルートで選べるようになります。
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消防設備士の種類(特類〜7類)を一覧で比較
消防設備士には、特類・1類・2類・3類・4類・5類・6類・7類の全8種類があります。
それぞれの類によって扱える消防用設備が異なるため、まずは全体の違いを知ることが大切です。
各類の特徴を理解すれば、自分が取るべき資格も選びやすくなります。
また、消防設備士には、基本的に甲種と乙種の2つの区分があります。
ただし、以下のような例外があります。
- 特類は甲種のみ
- 6類と7類は乙種のみ
甲種と乙種の大きな違いは、消防用設備の工事ができるかどうかです。
甲種
消防用設備の工事・整備・点検ができます。業務範囲が広く、工事や独立を考えている方に向いています。
乙種
消防用設備の整備・点検ができますが、工事はできません。点検業務を中心に行う場合は、乙種でも十分です。
将来的に工事を担当したい方や、独立・転職で仕事の幅を広げたい方は、受験資格を満たしている場合、甲種を選ぶと有利です。
このように、同じ類であっても、甲種と乙種ではできる業務が異なります。
以下では、特類から7類までの対象設備と資格区分を一覧で紹介します。
比較する際は、次の3点を意識してみてください。
- どの消防用設備に興味があるか
- 現在の仕事で必要な資格はどれか
- 将来どのような業務につなげたいか
自分の目的と照らし合わせながら確認すると、取得すべき消防設備士の種類が見つけやすくなります。
🔽【特類〜7類 比較一覧】
| 類別 | 主に扱う設備 | 甲種 | 乙種 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 特類 | 特殊消防用設備 | ○ | × | 特殊設備に対応可能 |
| 1類 | スプリンクラー・屋内・屋外消火栓 | ○ | ○ | 水系設備の中心。需要高め |
| 2類 | 泡消火設備 | ○ | ○ | 工場・危険物施設で必要性高い |
| 3類 | 粉末・ガス系消火設備 | ○ | ○ | 専門性が高く知識が必要 |
| 4類 | 自動火災報知設備 | ○ | ○ | 業界で最も需要が高い |
| 5類 | 避難器具(梯子・緩降機・救助袋) | ○ | ○ | 電気要素なしで機械が中心 |
| 6類 | 消火器 | × | ○ | 初心者向き。取りやすい |
| 7類 | 漏電火災警報器 | × | ○ | 電気知識が求められる |
種類が多いように見えますが、設備の分野がハッキリ分かれているため、「自分の仕事で関わる設備」を軸に選ぶと失敗しません。この記事の後半では、仕事別・目的別のおすすめの種類も紹介していくので、まずはこの一覧を参考に全体像をつかんでください。

甲種と乙種の違い|どちらを選ぶべき?
消防設備士には、甲種と乙種の2つの区分があります。
資格を選ぶうえで、まず理解しておきたいのがこの違いです。
甲種と乙種の最も大きな違いは、消防用設備の工事ができるかどうかです。
甲種
甲種は、対象となる消防用設備の工事・整備・点検を行えます。
たとえば、次のような作業に関わりたい場合は甲種が必要です。
- 消防用設備の新設工事
- 設備の改修工事
- 機器の交換や増設
- 配線や配管を伴う工事
工事まで対応できるため、乙種よりも業務の幅が広く、転職や収入アップにもつながりやすい資格です。
また、将来的に消防設備業で独立したい方にとっても、甲種は大きな強みになります。
乙種
乙種は、対象となる消防用設備の整備・点検を行えますが、工事はできません。
次のような方には、乙種が向いています。
- 点検や保守を中心に仕事をしたい
- 未経験から消防設備業界に入りたい
- まずは現場経験を積みたい
- できるだけ早く資格を取得したい
乙種には受験資格がないため、年齢や学歴、実務経験に関係なく受験できます。
そのため、初めて消防設備士を受験する方にも選ばれやすい資格です。
実際に、消防設備の点検会社では、乙種の資格を取得して点検業務に従事している人も多くいます。
将来性を考えるなら甲種がおすすめ
長期的に消防設備業界で働くのであれば、甲種を取得しておくと仕事の選択肢が大きく広がります。
甲種を取得する主なメリットは、次のとおりです。
- 工事と点検の両方に対応できる
- 設備会社や工事会社で評価されやすい
- 転職や収入アップにつながりやすい
- 将来的な独立にも活かせる
消防設備の工事は、点検だけの業務よりも受注単価が高くなる傾向があります。
そのため、仕事の幅を広げたい方や、将来独立を考えている方には、甲種がおすすめです。
甲種には受験資格が必要
ただし、甲種は誰でもすぐに受験できるわけではありません。
受験するには、主に次のような条件のいずれかを満たす必要があります。
- 対象となる国家資格を持っている
- 消防設備に関する実務経験がある
- 大学や専門学校などで指定科目を履修している
一方、乙種には受験資格がないため、未経験者でもすぐに挑戦できます。
甲種と乙種の選び方
どちらを選ぶべきかは、取得する目的によって異なります。
未経験から早く資格を取得したい方
→ 乙種がおすすめ
点検や保守業務を中心に働きたい方
→ 乙種でも対応可能
将来的に工事も担当したい方
→ 甲種がおすすめ
転職・収入アップ・独立を目指す方
→ 甲種がおすすめ
まずは乙種を取得して現場経験を積み、その後、受験資格を満たしてから甲種を目指す方法もあります。
自分の現在の状況と将来の働き方を考え、目的に合った区分を選びましょう。
各類(特類〜7類)の特徴と扱う設備の違い
特類(特殊消防用設備)
特類消防設備士は、消防設備士の中でも最上位の資格で、特殊消防用設備の工事・点検・整備を行える専門家です。飛行場・トンネル・石油コンビナートなど、一般建物とは異なる特殊環境に対応する高度な知識が求められます。受験には、甲種1〜3類のいずれか1つ+甲種4類+甲種5類の計3種類以上の免状が必要で、資格取得のハードルは非常に高い部類です。特殊施設での需要が安定しており、将来的にも専門性の高い貴重な人材として活躍が期待されます。
1類(スプリンクラー・屋内消火栓・屋外消火栓)
1類は スプリンクラー・屋内消火栓・屋外消火栓 を扱います。大規模建物に必ず設置されるため、点検・工事ともに需要が非常に高い資格です。配管・水圧・バルブなど機械的知識が必要ですが、その分評価が高く、設備会社・点検会社でキャリアの土台になる資格です。
2類(泡消火設備)
2類は油火災や化学火災に使われる泡消火設備を扱います。工場や危険物施設が中心で一般建物では少なめですが、専門施設では必ず必要とされる資格です。泡の種類や作動方式など特有の知識が必要で、工場系の仕事を目指す人に向いています。
3類(粉末・ガス系消火設備)
3類は粉末消火設備やCO₂・窒素などのガス系消火設備を担当します。水が使えないサーバールーム・電気室などで必須で、安全管理の知識も求められます。専門性が高く、特定分野で強く活かせる資格です。
4類(自動火災報知設備・ガス漏れ警報器)
4類は 自火報(自動火災報知設備)・ガス漏れ警報器 を扱い、消防設備士の中で最も需要が高い分野です。ほとんどすべての建物に設置されているため点検件数が多く、仕事につながりやすいのが特徴。電気的な知識が必要ですが、身につければ現場で大きく役立ちます。点検・工事・独立のどれを目指す人にとっても必須級の資格です。
5類(避難器具:はしご・緩降機・救助袋)
5類は 救助袋・緩降機・避難はしご などの避難器具を扱います。電気知識が不要で理解しやすく、初心者でも取り組みやすい分野です。点検需要も一定数あり、ビルメンや設備管理にも有利。工事は甲種が必要ですが、点検なら乙種で対応できます。
6類(消火器)
6類は消火器を扱う資格で、消防設備士の中でも最も難易度が低く初心者向けです。ほぼすべての建物に設置されているため点検需要が安定。扱うのは粉末・強化液・CO₂などの種類や構造で、専門性は控えめ。乙種のみで、交換作業程度なら工事資格も不要なため、最初の1つとして非常に取りやすい資格です。
7類(漏電火災警報器)
7類は漏電火災警報器を扱う資格で、電気の基礎知識が必要です。設置数は多くないものの、電気回路の理解が必要なため専門性があります。こちらも乙種のみで、主に点検が中心。電気工事士との相性がよく、電気系の仕事をしている人に向いています。

稼げる・需要が高い消防設備士ランキング
消防設備士は種類によって仕事量に差があり、特に点検・工事の件数が多い種類ほど稼ぎやすい傾向にあります。ここでは、実務で実際に依頼が多く、収入に直結しやすい種類をランキング形式で紹介します。資格取得の優先順位を決めるのに役立ちます。
1位:4類(自動火災報知設備)
4類は需要・案件・収入の三拍子がそろった最強資格です。ほとんどの建物で自火報が義務化されているため、点検依頼が非常に多く、年間を通して仕事が途切れません。感知器交換・受信機工事は単価も高く、甲種ならさらに収入UP。独立後の仕事獲得力も圧倒的です。
2位:1類(スプリンクラー・屋内消火栓・屋外消火栓)
1類も非常に需要が高く、大型施設・商業施設・工場など設置率が高い強みがあります。点検も工事も数が多く、安定収入につながりやすい分類です。水圧計測など専門作業があるため、対応できる人は重宝され、甲種はキャリアアップに直結します。
3位:6類(消火器)
6類は初心者向けで取りやすく、消火器はほぼ全建物に設置されているため点検件数が非常に多い分野。単価は低めですが件数でカバーでき、実務経験を積むのにも最適です。独立後はリピート顧客が増えやすい点も魅力。
需要ランク外でも活かせる類
2類(泡)・3類(ガス)は現場が限定されますが、工場系では高評価の専門資格。5類(避難器具)は電気知識が不要で扱いやすく、7類は電気系との相性抜群です。
消防設備士の難易度ランキング
消防設備士は扱う設備ごとに試験範囲・必要知識・専門性が大きく異なるため、難易度にも差があります。ここでは試験範囲・電気/機械の難しさ・合格率・現場感覚を総合してまとめた、最新版の難易度ランキングです。
1位:6類(消火器)
もっとも簡単で初心者の定番。範囲が狭く暗記中心、計算も少なく、過去問を回せば合格が狙える入門資格です。
2位:7類(漏電火災警報器)
電気の基礎は必要ですが、範囲が狭く問題パターンも安定。電気が苦手でなければ取りやすい分類です。
3位:5類(避難器具)
構造がシンプルで理解しやすく、暗記量も少なめ。電気が苦手でも挑戦しやすく、初心者に人気です。
4位:4類(自火報・ガス漏れ警報器)
電気の理解が必要で難易度は中〜やや高め。範囲が広く鑑別も細かいため、理解+暗記が必須。ただし需要は圧倒的でコスパ最強。
5位:1類(スプリンクラー類)
水圧・配管など機械的理解が必要ですが、設備が目で見えるため理解しやすい分類。4類より出題範囲が広いため難しいと感じる人が多いです。
6位:2類(泡)・3類(ガス系)
専門設備のため難易度は高め。化学・安全管理など複合知識が必要で独学が難しい場合も。工場系では高評価。
7位:特類(特殊消防用設備)
飛行場・トンネルなど特殊現場向けで試験も非常に専門的。受験者も少なく最上級の難易度です。
参考書としておすすめ
わかりやすい!消防設備士試験シリーズ
消防設備士の試験範囲を、基礎からしっかり理解したい方におすすめの参考書です。
消火器の種類や構造、消火薬剤の特徴、法令、鑑別問題など、試験に必要な内容が整理されているため、消防設備の知識がない初心者でも学習を進めやすくなっています。
最初からすべてを暗記しようとせず、まずは一通り読んで試験範囲の全体像をつかみましょう。その後、問題集で分からなかった部分を確認する辞書のような使い方をすると効率的です。
こんな方におすすめです。
- 消防設備について初めて勉強する方
- 図や解説を見ながら内容を理解したい方
- 法令・構造・鑑別をバランスよく学びたい方
- 1冊の参考書を繰り返し使いたい方
問題集としておすすめ
消防設備士 第6類 令和7年版[公論出版]
問題演習を中心に、短期間で合格を目指したい方におすすめの問題集です。
消防設備士6類は、よく出題される知識や問題のパターンを繰り返し解くことが重要です。この問題集を何度も解き、間違えた部分を参考書で確認することで、効率よく得点力を高められます。
特に、消火器の構造、法令、部品名称、鑑別問題などは、読むだけでは覚えにくい分野です。実際に問題を解きながら、正解の理由まで説明できる状態を目指しましょう。
こんな方におすすめです。
- 問題を解きながら覚えたい方
- 試験の出題形式に慣れたい方
- 鑑別問題を重点的に対策したい方
- 短期間で合格ラインを目指したい方

仕事・キャリア別|あなたに合う消防設備士の種類診断
消防設備士は8種類ありますが、最適な資格は**「どんな仕事をしたいか」**で大きく変わります。職業別に相性の良い種類をまとめました。
ビルメン(ビル管理)
点検中心のため、
6類 → 4類 → 5類 の順が最強。
4類はほぼ必須、1類は施設規模によっては不要な場合も。
消防士
現場判断に必要な
4類(自火報)・1類(消火栓・スプリンクラー) が重要。
救助系理解として5類も有効。
設備会社(点検・工事)
工事で稼げる
4類・1類の甲種 が最重要。
加えて6類・5類もあるとほぼ全設備に対応できます。
電気工事士
配線と相性抜群の
4類(自火報) が最優先。
7類もセットで強くなります。
工場勤務・危険物施設
特殊環境で必須となる
2類(泡)・3類(ガス) が最大の武器。
希少価値が高く、昇進・手当にも有利。
独立したい人
4類・1類・6類・5類の4種類 が最強セット。
点検・工事・保守をほぼ網羅し、案件獲得力が段違いです。
記事全体のまとめ|目的に合わせて最適な種類を選べばOK
消防設備士は8種類ありますが、大切なのは資格そのものではなく、**「あなたがどんな仕事をしたいか」**です。目的が決まれば取るべき資格は自然と決まります。
- 需要が高い:4類・1類
- 初心者の最初の一歩:6類
- 点検の幅を広げる:5類とのセット
職業に合わせても、ビルメンは6・4・5類、消防士は1・4類、電気工事士は4類、工場は2・3類と、必要な資格は大きく変わります。
消防設備士は努力がそのまま価値になる資格です。
1つ取ると世界が広がり、2つ3つと取得すれば、仕事の幅が一気に増えます。
この記事を参考に、あなたに最適な種類を選び、キャリアアップ・独立に役立ててください。
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