「消防訓練実施計画通知書ってどう書けばいいの?」
「消防訓練実施結果報告書は提出しなければならないの?」
このように悩んでいる防火管理者や事業所担当者の方は多いのではないでしょうか。
消防訓練は実施するだけではなく、消防署への事前通知や訓練結果の報告が必要になる場合があります。しかし、実際には、
- どのタイミングで提出するのか
- 何を書けばよいのか
- 消防署ごとに違いはあるのか
- よくある記入ミスは何か
など、分かりづらい点も多いのが実情です。
この記事では、消防職員としての実務経験をもとに、
✅ 消防訓練実施計画通知書の書き方
✅ 消防訓練実施結果報告書の記入方法
✅ 提出時の注意点
✅ よくある不備・ミス
✅ 消防署対応で押さえるべきポイント
を分かりやすく解説します。
これから消防訓練を実施する事業所の方でも、そのまま参考にできるよう実務目線でまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
→消防訓練の実施方法は以下を参考に

消防訓練実施計画通知書の書き方

※各自治体によって様式は異なるが記入するないようはほぼ同一です。
消防訓練実施計画通知書の書き方を徹底解説
消防訓練実施計画通知書は、消防訓練を実施する際に消防署へ事前に提出する書類です。
ここでは、各記入欄ごとの書き方や注意点を分かりやすく解説します。
⑴ 年月日
届出書を消防署へ提出する日を記入します。
例えば、令和8年5月20日に提出する場合は、
令和8年5月20日
と記載します。
👉 郵送提出の場合も、基本的には発送日を記入すれば問題ありません。
⑵ (統括)防火管理者・(統括)防災管理者
訓練を実施する建物の管理体制に応じて記入します。
不要な文字については、二重線などで見え消しを行います。
例えば、
- 防火管理のみ選任されている場合
→ 「統括」「防災管理者」を消す - 防災管理者が選任されている場合
→ 実態に応じて記載
👉 消防署によって運用が異なる場合があるため、不明な場合は事前確認がおすすめです。
⑶ 氏名
防火管理者または統括防火管理者の氏名を記入します。
法人名ではなく、実際に選任されている管理者個人の氏名を記入するのが一般的です。
⑷ 防火対象物の所在地
訓練を実施する建物の所在地を記入します。
例:
栃木県○○市○○町○丁目○番地
👉 テナントの場合でも、建物全体の所在地を正式に記入します。
⑸ 防火対象物の名称
建物名や施設名称を記入します。
例えば、
- ○○ビル
- ○○株式会社○○工場
- グループホーム○○
- ○○ホテル
など、正式名称を記載します。
👉 略称ではなく、消防関係届出で使用している正式名称で統一しましょう。
⑹ 令別表第1
建物用途を消防法施行令別表第1に基づいて記入します。
例:
- (4)項 → 飲食店
- (5)項イ → 旅館・ホテル
- (6)項ロ → 福祉施設
- (16)項イ → 複合用途防火対象物
など。
👉 用途区分が分からない場合は、過去の消防関係届出書類を確認するとスムーズです。

⑺ 実施予定日時
消防訓練を実施する日時を記入します。
例:
令和8年6月10日(水)
14時00分から15時00分まで
👉 開始時刻と終了時刻を忘れずに記入しましょう。
⑻ 訓練種別
実施する訓練内容を○で囲みます。
主な訓練種別は以下のとおりです。
- 消火訓練
- 通報訓練
- 避難訓練
- 防災避難訓練
- 全体防火訓練
👉 実際には「通報+避難+消火」の複数を同時実施するケースが多くあります。
⑼ 参加予定人員
消防訓練に参加する人数を記入します。
例:
50名
👉 従業員だけでなく、参加予定の利用者やテナント関係者を含める場合もあります。
⑽ 問合せ先
訓練担当者の連絡先を記入します。
例:
担当:○○
TEL:028-○○○-○○○○
👉 訓練内容確認のため消防署から連絡が入る場合があります。
⑾ 消防職員派遣等の要否
消防職員や消防車両の派遣希望がある場合は「要」を○で囲みます。
通常消防職員に来てほしい場合は、どちらにも〇をつけます。
不要な場合は「否」を選択します。
ただし、
⚠ 消防職員の立会いは法令上必須ではありません。
そのため、通常の自主訓練では「否」とするケースも多くあります。
👉 消防署によって対応可能な範囲が異なるため、事前相談がおすすめです。
⑿ 訓練概要
訓練内容を具体的に記入します。
記載例:
「3階飲食店から火災が発生し、逃げ遅れ者がいる」と想定し、119番通報訓練、館内放送、初期消火、避難誘導訓練を実施する。
👉 「どこで」「何が起き」「何を実施するか」が分かる内容にすると、消防署にも伝わりやすくなります。
記入時の注意点
消防訓練実施計画通知書で多いミスは以下のとおりです。
- 実施時間の記載漏れ
- 訓練種別の囲み忘れ
- 問合せ先未記入
- 建物名称の略称使用
- 用途区分の誤記
特に「令別表第1」の用途区分は間違いやすいため注意しましょう。
まとめ
消防訓練実施計画通知書は、消防訓練を円滑に実施するための重要な書類です。
しかし、実際には難しい内容ばかりではなく、
✅ 建物情報
✅ 訓練日時
✅ 実施内容
を整理して記入すれば問題ありません。
事前に消防署へ相談しておくことで、当日の訓練もスムーズに進めやすくなります。

消防訓練実施結果報告書の書き方

消防訓練等実施結果報告書 記入要領 解説
(1)年月日
届出書を消防署へ提出する日を記入します。
記載例:
令和8年5月20日
- 訓練実施日ではなく「提出日」を記入します。
- 和暦・西暦どちらでも可(消防本部運用による)。
(2)(統括)防火管理者・(統括)防災管理者
届出者区分を記入します。
該当しない文字を二重線で抹消してください。
記載例:
防火管理者のみの場合
→「防災管理者」を抹消統括防火管理者の場合
→「統括」に○
(3)氏名
防火管理者等の氏名を記入します。
- 防火管理者選任届出書と同一氏名を記入
- 法人名ではなく個人名
(4)防火対象物の所在地
対象建物の所在地を記入します。
記入例
栃木県〇〇市○○123-4
ポイント
- 建物全体の所在地
- テナントの場合でも建物所在地を記入
(5)防火対象物の名称
対象建物名称を記入します。
記入例
- ○○グループホーム
- ○○工場
- ○○営業所
- ○○ビル
ポイント
- 屋号のみではなく正式名称推奨
- テナントの場合は店舗名でも可
(6)令別表第1
消防法施行令別表第1に基づく用途区分を記入します。
記入例
- 飲食店 → (3)項ロ
- 工場 → (12)項イ
- 福祉施設 → (6)項ロ
- 事務所 → (15)項
ポイント
用途を誤ると消防手続全体に影響するため注意。

(7)実施日時
消防訓練を実施した日時を記入します。
記入例
令和8年5月18日
13時30分から14時00分まで
ポイント
- 開始時刻・終了時刻まで記入
- 実際の訓練時間を書く
(8)発生想定日時
火災等の発生を想定した日時を記入します。
記入例
令和8年5月18日 13時35分
ポイント
- 訓練中の「火災発生想定時刻」
- 実施日時内に設定する
(9)通報時分
119番通報訓練を実施した場合の時刻を記入します。
記入例
13時36分
ポイント
- 通報訓練未実施の場合は空欄可
- 模擬通報でも記載可能
(10)訓練種別
実施した訓練種別を○で囲みます。
主な区分
① 消防訓練
以下を含む一般的訓練
- 消火訓練
- 通報訓練
- 避難訓練
② 防災避難訓練
地震等を想定した避難訓練
③ 全体防火訓練
統括防火管理対象物全体で行う訓練
④ 全体防災訓練
大規模防災訓練
⑤ その他
特殊訓練時に記入
(11)参加人員
訓練参加人数を記入します。
記入例
50名
ポイント
- 実参加人数を記入
- 従業員・利用者含めても可
(12)訓練概要及び結果
訓練内容及び結果を記入します。
① 実施内容
- 通報訓練
- 初期消火
- 避難誘導
など
② 評価
- 円滑だったか
- 課題があったか
③ 改善点
- 今後の対応
- 指導事項
記入例
火災発生を想定し、通報訓練、初期消火訓練及び避難誘導訓練を実施した。
訓練は概ね円滑に実施できたが、一部避難誘導時の声掛けに改善点が見られた。
今後は避難誘導方法の統一を図り、継続して訓練を実施し、防火意識の向上に努めることとした。

まとめ
消防訓練実施計画通知書は、消防訓練を安全かつ円滑に実施するために重要な届出書類です。
しかし実際には、
- 「どこを書けばいいか分からない」
- 「令別表第1が難しい」
- 「消防署への提出タイミングが不安」
という方も多いのではないでしょうか。
記入時は、
✅ 建物情報を正確に記入する
✅ 訓練日時・訓練種別を明確にする
✅ 訓練概要を具体的に書く
✅ 問合せ先を忘れない
この4点を意識することで、スムーズに作成しやすくなります。
また、消防署によって運用が異なる場合もあるため、不明点がある場合は事前相談がおすすめです。
消防訓練は「実施すること」が目的ではなく、実際の火災時に適切な初動対応や避難行動ができるようにすることが重要です。
この記事が、消防訓練実施計画通知書の作成や消防訓練実施の参考になれば幸いです。
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消防訓練実施計画通知書や消防訓練実施結果報告書は、建物用途や訓練内容によって記載方法が異なる場合があります。
特に、
- 飲食店
- 福祉施設
- 工場
- テナントビル
- 複合用途防火対象物
などは、用途区分や消防計画との整合性に注意が必要です。
「この書き方で合っているか不安…」
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