「10分で出せる!防火管理者選解任届出の書き方」

消防設備

前任の防火管理者が急に異動してしまった。会社の総務から「選解任届出を出して」と言われたけれど、何を書けばいいのか分からない。そもそも自分の建物が本当に届出義務の対象なのかも判断できない。インターネットで調べると難しい言葉ばかりで、管理権原者や甲種・乙種という表現が出てきて頭が混乱する。もし期限を過ぎたままだと法令違反になってしまうのではないか、立入検査で強く指摘されるのではないかという不安も大きい。担当者が変わるたびに二度手間になり、窓口で何回も書き直しを求められる人も多い。この記事では、切迫した状況にいる人でも、誰でも、理解できるようなやさしい言葉で、防火管理者選解任届出のすべてを解説する。読み終えれば、期限、書き方、添付書類、提出方法、その後にやるべき実務まで見通せるので安心してほしい。

防火管理者選解任届出が“最初に必要”な理由【担当者変更の起点】

まず結論から――
防火管理者の選任・解任届出は法律で義務とされており、担当者変更のタイミングで必ず行わなければなりません。会社の辞令だけでは法的効力はなく、届出という行動で初めて「この建物の責任者」を消防署に正式に知らせることになります。これは火災予防のしくみの中で最初の安全スタートであり、出し忘れは単なるミスでは済みません。

では、なぜ最優先なのか?
届出を怠ると法令違反状態となり、まず30万円以下の罰金または拘留という数字の罰則が現実になります。さらに消防署の命令に従わない場合は、懲役または50万円以下の罰金にまでリスクが拡大します。最悪の場合、事業停止・使用禁止という行政処分にまで発展する可能性があり、担当者にとってゲームオーバー級の危険です。

そしてもう1つ大切なのが建物の対象判断=収容人員の数字です。
防火管理者の義務は、建物の用途と収容人員30人以上(特定)・50人以上(非特定)というラインで変わります。ここが検索者の最大の落とし穴で、テナント部分だけでなく建物全体の人数で判断する必要があります。例えばあなたのカフェが20人でも、ビル全体が50人以上なら防火管理者選任義務が発生します。この逆説を知らずに空白をつくると、もし火災が起きたときに責任者が見えないという最も怖い状態になります。

この届出は単なる形式ではなく、防火体制を法的に成立させる“最初の1枚”です。
火災はいつ起こるか分かりません。だからこそ、担当者変更があったら提出
することが“安全の大前提”。届出を出すことで、次に続く消防計画・訓練・点検報告という3つの実務もはじめて前に進みます。むずかしい言葉に見えても、仕組みはシンプルなので安心してください。

防火管理者選解任届出の書き方

それでは防火管理者選解任届出の書き方を東京消防庁の様式を使用し進めていきましょう。

東京消防庁防火管理者選解任届出

東京消防庁防火管理者選解任届出書き方

(1)「防火」「防災」

1「防火」「防災」のうち、該当の□印にレを付けること。
2 同一の届出書で防火及び防災管理者の選任(解任)を行うときは両方の□印にレを付けること。

(2)選任(解任)

1「選任(解任)」のうち、不要の文字を横線で抹消する。
2 同一の届出書で選任と解任を行うときはそのままにする。

(3)年月日

届出書の提出年月日を記入する。

(4)あて先

〇〇市消防長とするか、当該防火対象物又は建築物その他の工作物を管轄する消防署の署長(〇〇消防署長)とする。消防長氏名を記入するところもあるため、氏名がわからなければ各消防本部に聞いたほうが良い。

(5)届出者


1 当該防火対象物又は建築物その他の工作物の管理について権原を有する者の住所、氏名を記入する。(ただし、法人の場合は法人の所在地、名称及び代表者の職・氏名を記入する。)
2 個人企業の場合は、住所登録をしてある住所とする。

(6)所在地(7)電話番号

当該防火対象物又は建築物その他の工作物の所在地と電話番号を記入する。

(8)名称

「○○株式会社○○工場」、「○○銀行○○支店」、又は「○○ビル○階 居酒屋○○店」等、当該防火対象物又は建築物その他の工作物の名称及び電話番号を記入する。

(9)管理権原(10)複数権原の場合に管理権原に属する部分の名称


当該防火対象物又は建築物その他の工作物について管理権原が分かれていない場合は「単一権原」の□印に、分かれる場合は「複数権原」の□印にそれぞれレを記入する。複数権原の場合、届出者が管理している部分の名称を記入してください。

(11)用途(12)令別表第1


当該防火対象物又は建築物その他の工作物の用途を消防法施行令別表第1に掲げる用途区分及び項区分により「飲食店・(3)項ロ」「物品販売店舗・(4)項」、「複合用途・(16)項イ」等の要領で記入する。⇒消防法施行令令別表第一はこちら

(13)収容人員

消防法施行規則第1条の3の算定基準により算定した当該防火対象物又は建築物その他の工作物全体の収容人員を記入する。⇒消防法施行規則第1条の3はこちら

(14)種別

消防法施行令第3条第1項の区分に応じ該当の□印にレを記入する。⇒消防法施行令3条第1項はこちら

(15)※消防法施行令第2条を適用するもの


1 同一敷地内に同一権原の2以上の建物がある場合、各棟の名称、用途及び収容人員を記入する。
2 棟が多くこの欄に書ききれないときは適宜用紙を添付して記入する。

消防法施行令第2条はこちら

(16)※消防法施行令第3条第3項を適用するもの


1 届出者の管理する事業所が、複数権原の防火対象物の部分で、かつ当該部分が、乙種防火管理講習修了者を防火管理者とすることができる部分(規則第2条の2第1項第2号イからハに掲げる部分)である場合の当該事業所の名称、用途及び収容人員を記入する。
2 前1の事業所が複数になる場合は事業所ごとに記入し、書ききれないときは、「別紙のとおり」とし、別紙を添付する。
3 届出者の管理する事業所が、複数権原の防火対象物の部分で、かつ当該部分が、乙種防火管理講習修了者を防火管理者とすることができない部分の場合は、この欄に記入するのではなく、その権原を有する部分ごとに届出書を作成する。この場合における(7)、(8)、(9)、(10)の部分は当該部分の内容について記入する。(11)の種別は☑甲種、(12)の管理権原は☑単一権原とする。(7)の名称の例:「○○ビル○階 居酒屋○○店」

※この部分はわかりにくいですが端的に言うと「乙種でOKな小規模テナントだけは“まとめ届出欄”に書く。乙種でダメなテナントは、店ごと・階ごとに別々で届出を作れ」といった感じです。

(17)氏名フリガナ・生年月日

防火・防災管理者になる者の氏名(フリガナをつける)と生年月日を記入する。

(18)住所

防火・防災管理者になる者の現住所を記入する。(住民登録をしてある住所)

(19)選任年月日

管理権原者から当該防火対象物又は建築物その他の工作物の防火・防災管理者として選任された年月日を記入する。

(20)職務上の地位

防火・防災管理者として選任されたときの組織上の地位を記入する。「総務部長」、「店長」、「支店長」等

(21)種別


1 防火管理者
受講した講習が甲種の場合 甲種の□印にレを記入し、新規講習のみ受講の場合は新規講習の□印に、再講習を受講している場合は再講習の□印にレを記入する。
受講した講習が乙種の場合 乙種の□印にレを記入する。


2 防災管理者

防災管理の□印にレを記入し、新規講習のみ受講の場合は新規講習の□印に、再講習を受講している場合は再講習の□印にレを記入する。

(22)講習機関

防火・防災管理講習を受けた機関名を記入する。「〇〇市消防本部」、「東京消防庁」、「○○消防本部」等

(23)修了年月日

修了証に記載されている修了年月日を記入する。再講習を受講している場合は、再講習の修了年月日を記入する。

(24)その他

講習以外の資格で選任する場合は該当する□印にレを記入し、根拠法条及び資格内容を記入する。
例 規則第2条第1号(安全管理者)

(25)氏名(26)解任年月日

前記選任の例により記入する。

(27)解任理由

「転勤」、「退職」、「人事異動」など具体的に記入する。

(28)その他必要事項


1 新たに防火・防災管理者が必要になった理由等を記入する。「新築、増改築、従業員の増加、収容人員の増加」等
2 防火・防災管理者の業務の委託に係る届け出の場合、「管理的又は監督的な地位にある者のいずれもが防火管理上必要な業
務を適切に遂行することができない理由」を記入する。「遠隔地に勤務しているため」等
3 消防法施行令第1条の2第3項第2号及び第3号の防火対象物にあっては工事が完了した際の防火対象物の規模を記入する。「地上15階地下2階 延面積50,000㎡」等
4 その他必要事項を記入する。

行政書士に防火管理者選解任届出を代行してもらうメリット

行政書士を利用して届出の代行を利用する大きなメリットは、担当者の心理的な負担と事務の二度手間をまとめて軽くできる点です。選解任届出は人事異動のたびに発生するため、総務担当や建物オーナーにとっては本業と切り離された“慣れない手続”になりやすく、様式探しや添付確認で時間を取られてしまいます。代行であれば、消防法の考え方に詳しいプロが記入内容を整理し、所轄消防の運用に合わせた形で提出まで進めてくれるので安心感が高いです。また、対象判断や社内手続との区別も一緒にサポートしてもらえるため、「これで本当に大丈夫かな」という不安を抱えたまま作業する状況を避けられます。忙しい担当者は、専門的な部分を任せることで自分の業務に集中でき、建物の防火・防災という本来の目的に早く戻ることができます。安全を確実に前へ進めたい人ほど、代行は魅力的な選択肢となります。

まとめ

前任者の異動や退職などで建物の火の番をする人が変わったとき、消防法では「防火管理者選解任届出」を出して、責任者を消防署に正式にお知らせする必要があります。辞令だけでは法的な選任にならず、届出によって防火体制が見える形で成立します。提出後は消防計画の作成や訓練、設備の点検報告へつながる大切な入口です。担当変更があったら最優先で手続を行い、安全管理の目的に早く戻りましょう。

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