少量危険物を貯蔵・取り扱う場合は、消防法や各市町村の火災予防条例に基づき、「少量危険物届出書」の提出が必要となるケースがあります。
しかし、
- 「どんな場合に届出が必要なの?」
- 「届出書はどのように書けばいい?」
- 「消防署へ提出する際の注意点は?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
届出書の記載内容に誤りがあると、消防署から修正を求められ、手続きがスムーズに進まないこともあります。
この記事では、少量危険物届出書の提出が必要となるケースをはじめ、届出書の書き方や記入例、提出時の注意点まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
消防署へ届出を予定している方は、ぜひ最後までご覧ください。
少量危険物届出書とは?
少量危険物届出書とは、指定数量未満の危険物(少量危険物)を一定数量以上貯蔵または取り扱う場合に、消防署へ届け出るための書類です。
危険物は、ガソリンや灯油、軽油、アルコール類など、火災が発生した際に大きな危険を伴う物質です。そのため、指定数量未満であっても、各市町村の火災予防条例で定める数量以上を貯蔵・取り扱う場合は、あらかじめ消防署へ届出を行う必要があります。
届出を行うことで、消防署は危険物の種類や数量、保管場所、設備の状況などを把握し、火災予防上の安全性を確認します。
なお、「少量危険物」とは消防法でいう指定数量未満の危険物を指し、「少量だから自由に保管できる」という意味ではありません。条例で定められた位置・構造・設備の基準を満たす必要があり、自治体によって届出の対象となる数量や基準が異なる場合もあります。
そのため、実際に届出を行う際は、管轄する消防署や各自治体の火災予防条例を確認することが大切です。
※危険物の指定数量など詳細を知りたい方は以下の記事を参照

少量危険物届出書が必要なケース
少量危険物届出書が必要となるのは、一般的に、事業所などで指定数量の5分の1以上、指定数量未満の危険物を貯蔵または取り扱う場合です。なお、**個人住宅では指定数量の2分の1以上を届出対象としている自治体が多く見られます。**ただし、届出基準は各市町村の火災予防条例で定められているため、自治体によって異なる場合があります。
例えば、次のようなケースでは届出が必要となることがあります。
- 工場や倉庫で危険物を保管する場合
- 建設現場で発電機用のガソリンや軽油を保管する場合
- 自家発電設備の燃料を貯蔵する場合
- ボイラーや暖房設備の燃料を保管する場合
- 事業所で塗料やシンナーなどを一定量以上保管する場合
一方、指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う場合は、「少量危険物届出」ではなく、消防法に基づく危険物施設の設置許可が必要になります。
届出が必要か判断に迷った場合は、管轄する消防署へ事前に相談すると安心です。
少量危険物届出書を提出する流れ
少量危険物届出書の提出は、それほど複雑な手続きではありません。しかし、事前準備をしっかり行うことで、消防署での修正や再提出を防ぐことができます。
一般的な流れは次のとおりです。
① 保管・取扱いする危険物を確認する
まずは、危険物の品名・数量・性質を確認します。
危険物の種類によって指定数量が異なるため、届出が必要となるかを最初に判断しましょう。
② 保管場所や設備を確認する
危険物を保管・取り扱う場所が、火災予防条例で定められた位置・構造・設備の基準を満たしているか確認します。
消火器の設置や換気設備、標識の掲出などが必要になる場合もあります。
③ 少量危険物届出書を作成する
届出書へ、次の内容を記入します。
- 届出者の氏名・住所
- 保管・取扱場所
- 危険物の品名・数量・最大貯蔵数量
- 保管・取扱方法
- 完成予定日や開始予定日(必要な場合)
記載漏れや誤記があると修正を求められることがあるため、提出前に内容を確認しましょう。
④ 消防署へ提出する
届出書と必要書類を管轄する消防署へ提出します。
自治体によって提出部数や添付書類が異なるため、事前に消防署へ確認しておくとスムーズです。
⑤ 届出内容に変更があれば変更届を提出する
届出後に危険物の数量や種類、保管場所などを変更する場合は、変更届の提出が必要になることがあります。
変更を予定している場合も、事前に消防署へ相談することをおすすめします。
※貯蔵場所の構造や方法については以下を参照

少量危険物届出書の書き方【記入例付き】
少量危険物届出書は、決められた様式に従って正確に記入する必要があります。
記載内容に誤りや漏れがあると、消防署で修正を求められたり、再提出が必要になったりすることもあるため、提出前に十分確認しましょう。
ここでは、記入例をもとに各項目の書き方をわかりやすく解説します。

少量危険物届出書に必要な添付書類
少量危険物届出書を提出する際は、届出書だけでなく添付書類の提出を求められることがあります。
必要な書類は各市町村の火災予防条例や消防署によって異なりますが、一般的には次のような書類を添付します。
案内図
事業所や危険物を貯蔵・取り扱う場所の位置が分かる地図です。
住宅地図やインターネットの地図を利用することが多く、消防署が現地を確認しやすいよう、建物の位置を明確に示します。
配置図
敷地内の建物や危険物の保管場所、周囲との離隔距離などを示した図面です。
危険物をどこで保管・取り扱うのかが分かるように作成します。
平面図
建物内で危険物を保管する場合は、保管場所や設備の配置が分かる平面図を添付します。
消火器や換気設備、出入口などを記載すると、消防署で確認しやすくなります。
保管設備などの仕様書
危険物を保管する容器や保管庫などの仕様が分かる資料の提出を求められる場合があります。
設備の構造や容量、安全性能などが確認できる資料を準備しておきましょう。
その他必要書類
自治体によっては、危険物の安全データシート(SDS)や、設備のカタログ、写真などの提出を求められることがあります。
必要書類は消防署によって異なるため、届出前に管轄する消防署へ確認しておくと安心です。
少量危険物の保管・管理に役立つおすすめ用品5選
少量危険物を安全に貯蔵・取り扱うためには、届出を行うだけでなく、適切な保管設備や安全用品を備えることも重要です。
火災や漏えい事故を未然に防ぐため、ここでは現場で役立つおすすめ用品を5つ紹介します。
1. ABC粉末消火器
危険物を取り扱う場所では、火災発生時に迅速な初期消火ができるよう、消火器を設置しておくことが大切です。
ABC粉末消火器は、普通火災・油火災・電気火災に対応できるため、工場や倉庫、事業所など幅広い場所で使用されています。
2. オイル吸着マット・吸着シート
危険物の漏えいや油類のこぼれは、火災や環境汚染につながるおそれがあります。
オイル吸着マットや吸着シートがあれば、漏えい時の応急処理をスムーズに行うことができます。
3. 危険物標識・火気厳禁標識
危険物を保管する場所では、注意喚起のための標識を設置することが重要です。
「火気厳禁」や「危険物保管場所」などの標識を掲示することで、安全意識の向上や事故防止につながります。
4. 耐油・耐薬品保護手袋
危険物を取り扱う際は、皮膚への付着や薬品による刺激を防ぐため、耐油・耐薬品性に優れた保護手袋を使用しましょう。
安全に作業を行うための基本的な保護具として、一つ備えておくと安心です。
5. LED作業灯・懐中電灯
危険物の保管場所では、日常点検や停電時の対応が必要になることがあります。
LED作業灯や懐中電灯があれば、暗所でも安全に点検や作業を行うことができます。
※可燃性蒸気が滞留する危険場所で使用する場合は、防爆仕様の製品を選びましょう。
安全対策は日頃の備えが重要
少量危険物は指定数量未満であっても、取り扱いを誤れば火災や事故につながる可能性があります。
届出書を適切に提出することはもちろん、消火器や漏えい対策用品、安全保護具などを日頃から備えておくことで、万が一の事故にも落ち着いて対応できます。
ぜひ、ご自身の事業所や保管場所に必要な用品を見直し、安全な危険物管理に役立ててください。
まとめ
少量危険物届出書は、指定数量未満の危険物を一定数量以上貯蔵・取り扱う際に必要となる重要な届出書類です。
届出が必要となる数量や提出書類は、各市町村の火災予防条例によって異なるため、事前に管轄する消防署へ確認することが大切です。
本記事では、
- 少量危険物届出書の概要
- 届出が必要なケース
- 提出までの流れ
- 届出書の書き方・記入例
- 必要な添付書類
- 提出時の注意点
について解説しました。
届出書を正しく作成し、安全基準を満たした設備で危険物を管理することは、火災や事故を未然に防ぐためにも欠かせません。
これから少量危険物の貯蔵・取扱いを予定している方は、本記事を参考に、余裕を持って準備を進めましょう。
少量危険物届出書の作成でお困りの方へ
「届出が必要か判断できない…」
「記入方法に自信がない…」
「添付書類や図面の作成方法が分からない…」
このようなお悩みがある場合は、お気軽にご相談ください。
当サイトでは、消防法令や火災予防条例に基づき、
- 少量危険物届出書の作成サポート
- 添付図面(案内図・配置図・平面図など)の作成支援
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届出をスムーズに進めたい方は、ぜひお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。



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