住宅宿泊事業届出書の書き方や添付書類を完全解説【民泊新法対応】

不動産権利関係

住宅宿泊事業(いわゆる民泊)を始めるには、「住宅宿泊事業届出書」の提出が必要になります。

しかし、実際に書類を作成しようとすると、

・どこに提出するの?
・何を書けばいいの?
・消防署には相談が必要?
・添付書類は何が必要?

など、分かりにくい点も多いのではないでしょうか。

特に民泊は、単に届出書を提出するだけでなく、消防法令や管理規約、建築関係なども関係してくるため、事前確認が非常に重要です。

この記事では、住宅宿泊事業届出書の書き方を初心者向けにわかりやすく解説します。

必要書類や注意点、消防関係で確認すべきポイントについてもまとめていますので、これから民泊を始める方はぜひ参考にしてください。

住宅宿泊事業届出書とは?

住宅宿泊事業届出書とは、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)に基づき、民泊営業を行う際に提出する届出書のことです。

旅館業法による「旅館・ホテル営業」とは異なり、住宅宿泊事業では、一定の条件を満たした住宅を活用して宿泊サービスを提供することができます。

近年では、

  • 空き家活用
  • 副業としての民泊運営
  • インバウンド需要への対応

などを目的として、住宅宿泊事業を始める方も増えています。

ただし、民泊は単に部屋を貸し出せばよいわけではありません。

営業を開始するためには、

  • 住宅宿泊事業届出
  • 消防法令への適合
  • 管理規約の確認
  • 必要書類の提出

など、さまざまな手続きが必要になります。

また、住宅宿泊事業には年間180日までという営業日数制限がある点も大きな特徴です。

無許可で営業した場合は、業務停止命令や罰則の対象となる可能性もあるため、事前に正しい手続きを行うことが重要です。

このあと、住宅宿泊事業届出書の具体的な書き方や必要書類について、順番に解説していきます。

住宅宿泊事業届出書の書き方

住宅宿泊事業届出書は第一面から四面まであります。それぞれの面の書き方を解説していきます。

第一面の書き方

① 年月日

ここには、住宅宿泊事業届出書を提出する日付を記入します。

窓口提出の場合は提出日、郵送の場合は発送日を記入するのが一般的です。

なお、電子申請の場合でも、実際に届出を行う日付を入力します。


② 届出者

ここでは、届出を行う人の情報を記入します。

法人の場合は、「商号又は名称」に会社名を記入し、「氏名」欄には代表者氏名を記入します。

個人の場合は、屋号がある場合のみ「商号又は名称」に記入します。

また、電話番号やFAX番号も忘れずに記入し、押印欄がある場合は印を押します。

なお、自治体によっては押印不要となっている場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。


③ 商号・名称・氏名・住所及び連絡先

ここでは、届出者の情報をマス目に沿って記入していきます。

届出者本人について、名称・氏名・住所・電話番号またはメールアドレスを左詰めで正確に記入しましょう。

法人の場合は、「法人番号」の記入も必要になります。

法人番号とは、法人ごとに付与される13桁の番号で、いわば法人版のマイナンバーのようなものです。

個人で届出を行う場合は、法人番号の記入は不要です。

住所については、登記事項証明書や住民票などと表記を合わせておくと、修正を防ぎやすくなります。


④ 法人/個人の区別

ここでは、届出者が法人か個人かを選択します。

法人の場合は「1」、個人の場合は「2」を記入します。


⑤ 代表者又は個人に関する事項

法人の場合は代表者について、個人の場合は届出者本人について記入します。

氏名やフリガナを記入したあと、生年月日を記載します。

生年月日の最初の欄には元号コードを記入します。

例えば、昭和51年9月13日生まれの場合は、

「S-51年09月13日」

のように記載します。

また、性別欄は該当する箇所にチェックを入れます。

記載内容は本人確認書類と一致しているか、提出前に確認しておきましょう。

第二面の書き方

① 法定代理人に関する事項

ここでは、法定代理人の氏名や住所などを記入します。

記入方法は第一面と同様で、氏名・住所・生年月日などをマス目に沿って正確に記入しましょう。


② 法人/個人の区別

法定代理人が法人か個人かを記入します。

法人の場合は「1」、個人の場合は「2」を記入します。


③ 法定代理人の代表者に関する事項

法定代理人が法人の場合は、その代表者の情報を記入します。

フリガナ、氏名、生年月日、性別などを記入しましょう。


④ 法定代理人の役員に関する事項

ここでは、法定代理人である法人の役員情報を記入します。

役員が複数いる場合は、全員分を記載する必要があります。

記載欄が足りない場合は、第二面を追加して記入しましょう。

第三面の書き方

① 役員に関する事項

ここでは、法人の役員情報を記入します。

これまでと同様に、フリガナ・氏名・生年月日・性別などをマス目に沿って記入していきます。

役員が複数いる場合は、全員分を記載する必要があります。

もし記載欄が足りない場合は、第三面を追加して記入しましょう。

記載内容は、登記事項証明書などと一致しているか事前に確認しておくと安心です。

第四面の書き方

① 住宅宿泊管理業に関する事項

民泊新法では、住宅の管理を行う人が必要になります。

宿泊者の安全確保や、近隣からの苦情対応などを行うためです。

民泊には、

  • 家主居住型
  • 家主不在型

の2種類があります。

家主不在型の場合は、原則として住宅宿泊管理業者へ管理委託をしなければなりません。

一方、家主居住型の場合は、一定の場合を除いて管理委託は不要です。

ただし、

  • 届出住宅の居室数が6室以上の場合
  • 宿泊者がいる間に2時間以上外出する場合

には、住宅宿泊管理業者への委託が必要になります。

また、自身が住宅宿泊管理業の登録を受けている場合は、自ら管理することも可能です。

この欄では、住宅宿泊管理業者として登録している場合に、登録年月日と登録番号を記入します。

住宅宿泊管理業者でない場合は記入不要です。


② 住宅に関する事項

ここでは、民泊として使用する住宅の情報を記入します。

郵便番号は通常どおり記入し、所在地には建物名や部屋番号まで省略せず記載しましょう。

不動産番号は、登記事項証明書に記載されている13桁の番号です。

登記事項証明書は届出時の添付書類として必要になるため、事前に法務局で取得しておくとスムーズです。


③ 家屋の別・住宅の建て方

「第2条各号に掲げる家屋の別」では、住宅宿泊事業法上の住宅に該当する種類を選択します。

選択肢は次の3つです。

  • 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
  • 入居者の募集が行われている家屋
  • 随時その所有者、賃借人または転借人の居住の用に供されている家屋

「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」とは、実際に誰かが生活している住宅のことです。

「入居者の募集が行われている家屋」とは、賃貸募集や売買募集を行っている住宅を指します。

「随時その所有者、賃借人または転借人の居住の用に供されている家屋」とは、別荘やセカンドハウスなど、生活の本拠ではないものの定期的に使用されている住宅のことです。

また、その下では住宅の建て方について、

  • 一戸建て住宅
  • 長屋
  • 共同住宅
  • 寄宿舎

の中から該当するものを選択します。


④ 住宅の規模

ここでは、住宅の面積について記入します。

図面を確認しながら、階ごとに記入するとわかりやすいです。

居室の面積

宿泊者のみが使用する部分の面積です。

寝室や居間などが該当します。

台所・浴室・便所・洗面所・廊下・押入れ・床の間などは含みません。

なお、内寸面積で算定します。

宿泊室の面積

宿泊者が就寝する部屋の面積を記入します。

こちらも押入れや床の間は含みません。

壁芯で算定します。

宿泊者の使用に供する部分(宿泊室を除く)

宿泊者が使用する部分のうち、宿泊室以外の部分を記入します。

台所、浴室、便所、洗面所、廊下などを含みます。

合計

宿泊室と、宿泊者の使用に供する部分を合計した面積を記入します。


⑤ 営業所又は事務所に関する事項

民泊に使用する住宅とは別に、営業所や事務所を設ける場合に記入します。

営業所や事務所がない場合は、記入不要です。

第五面の書き方

① 住宅宿泊管理業務の委託に関する事項

これは、第四面①で説明した「住宅宿泊管理業」の逆パターンです。

家主不在型で民泊を行う場合は、住宅宿泊管理業者へ管理を委託しなければなりません。

ここでは、委託する住宅宿泊管理業者の情報を記入します。

なお、住宅宿泊管理業者も別途登録申請を行う必要があります。

登録には時間がかかるため、届出時点で登録番号が未定の場合は、未定のまま提出し、後日変更届で登録番号等を届出ることになります。


② 不在について

家主居住型の場合は、「不在とならない」にチェックを入れます。

ただし、「不在にならない」といっても、一切外出してはいけないという意味ではありません。

日常生活上必要な買い物など、1〜2時間程度の外出であれば認められています。


③ 賃借人について

自己所有物件の場合は、「賃借人に該当しない」にチェックを入れます。

賃貸物件の場合は、「賃借人に該当する」および「賃貸人が住宅宿泊事業の用に供することを目的とした賃借物の転貸を承諾している」にチェックを入れます。

つまり、物件オーナーから民泊利用の承諾を得ている必要があります。


④ 転借人について

転借とは、賃借人からさらに物件を借りている状態、いわゆる「又貸し」のことです。

通常は転借が認められていないケースが多いため、「転借人に該当しない」にチェックすることが一般的です。

もし転借に該当する場合は、オーナーおよび賃借人双方の承諾が必要になります。


⑤ マンション・アパート関係

一戸建て住宅の場合は、「該当しない」にチェックを入れます。

マンションやアパートの場合は、上の項目にチェックを入れます。

その際、管理規約で民泊が禁止されていないことを確認しておきましょう。

また、明確な禁止規定がなくても、管理組合に民泊を禁止する意思がないことを確認する必要があります。

まとめ

住宅宿泊事業届出書は、第一面から第五面まで記入項目が多く、初めて見ると難しく感じるかもしれません。

しかし、実際には、

  • 届出者情報
  • 住宅情報
  • 管理業者情報
  • 住宅の規模
  • 賃貸・マンション関係

などを順番に整理していけば、そこまで複雑な書類ではありません。

ただし、民泊新法では書類作成だけでなく、

  • 消防法令
  • 管理規約
  • 賃貸借契約
  • 近隣対応
  • 管理委託

など、事前確認が非常に重要になります。

特に消防関係や管理規約で手続きが止まるケースも少なくありません。

これから民泊を始める方は、届出書だけでなく、必要書類や消防関係の準備も含めて進めていきましょう。

民泊開業・消防手続きのご相談はこちら

「民泊を始めたいけど、何から進めればいいかわからない…」

そんな方は、お気軽にご相談ください。

住宅宿泊事業の届出では、

  • 届出書類の作成
  • 消防法令適合通知書
  • 管理規約の確認
  • 必要書類の整理
  • 開業までの流れ

など、事前に確認すべき事項が数多くあります。

特に消防関係は、設備状況によって追加工事が必要になる場合もあり、早めの確認が重要です。

消防実務経験を活かし、民泊開業に関する手続きをサポートしています。

「この物件で民泊できる?」
「消防設備は必要?」
「家主居住型と不在型どっちがいい?」

など、まずはお気軽にお問い合わせください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました